行政書士開業時に考えること

行政書士として開業する際にしておくことは沢山あります。
登録申請の際に備品などの類はある程度準備するように言われますので、最低限の設備はすでに手配済だと思います。

開業後、しばらくして受注が増えてくると受注案件の処理で手いっぱいになり、それ以外のことに中々手が回らなくなりがちです。
登録申請~登録日前後の比較的時間がある時にやっておくと良いと思われることを挙げておきます。

  1. 親類、友人、お世話になった方々へのご挨拶
  2. 業務の報酬表
  3. 受注の際の契約書、委任状ひな型作成
  4. 営業方法と手段
  5. 取扱い予定の業務に対する書籍、ソフトなどの投資

ざっと一例を挙げるだけでもこれだけあります。他にもまだまだやることはあります。

やることが山のようにある中で、
「自分にしか出来ないこと」
「お金をかければ任せられること」
「誰かにお願いしなければ出来ないこと」
くらいの感じに分かれていきます。

この中で2番目の「お金をかければ任せられること」の進め方がとても大切です。
その理由は自分にしかできないことや誰かの協力がないと出来ないことはあまり考える必要がなく、やるしかない、お願いするしかないからです。

ボリュームの面でもこの2番目のカテゴリのものが一番多いと言えます。
「自分でやろうと思えば出来ないことはないけど、クオリティやコストが不安」という面が大きく、頭を悩ませることの多いところです。
なかでも「コスト」という点に敏感にならざるを得ないのではないでしょうか。

一口に「コスト」というと○○費、と考えます。ただしそれだけではありません。
もう一つ時間という概念も必ず考慮に入れる必要があります。

自分でやれば外注費用は0。でも2ヶ月かかる。
外注すれば費用は10万円。でも1週間でできる。

このどちらをとるのが良いのか、という話です。
もちろん内容によります。行政書士事務所の運営に大きく影響を与える可能性がある性格のものなら外注した方が良いでしょう。
反対に影響が小さく、スケジュールに余裕がある方なら内製されるのも悪くないでしょう。

もうひとつ気になるのは2ヶ月かけて出来上がったもののクオリティという面は是非意識されておくことをおすすめします。
出来ただけ、が一番良くありません。ものによってはそれを使うとマイナスになりうるようなものもあります。

2ヶ月かけて外注した場合と同程度のところまで質を高められるのなら、内製する価値がある可能性は高いと言えます。
継続的に使用していくようなものであれば、それ以降にかかるはずだったコストも削減できる確率が上がります。

このあたりの差が出やすいのがデザイン要素が入ってくるもの、ということになります。
小さなものでいうと名刺など。大きなものでいうとホームページ、事務所ロゴなどです。

名刺は必ず入れる項目が決まっていますし、必要項目だけを記載した名刺も珍しくありません。
ただ、ここで工夫してデザインに凝って印象に残りやすい名刺を、という発想で上手に活用されている方も少なくありません。

ホームページやロゴなどはある意味では「誰でも」作れます。そのぶん、出来栄えに非常に大きな差が着きやすいところでもあります。
あまり出来栄えが良くないものなら思い切って没にする勇気が必要でしょう。

ロゴの場合、名刺はもちろん、印刷物や営業用販促ツールにも使えますので、活用できる範囲がとても広くなります。
名前は憶えてないけど、ロゴの印象で憶えてもらえる、という利点もあるでしょう。

ホームページも差がつきやすいものの一つと言えます。
掲載されている内容は同じでも見てもらいやすいサイトと見てもらいにくいサイトがあります。

内容は同じなら読んでもらえるか?答えはNOです。「見にくい」「分かりにくい」と思われた瞬間にページを閉じられてしまうのがホームページです。
「更新されていない」「デザインが崩れている」などもすぐに閉じられてしまう原因になります。

HTMLや初歩的なCSSなど基本的なホームページ制作の知識を持っている方なら、文字の大きさ、色、太さぐらいなら調節することができるでしょう。
問題は「それをするのは何のため?なぜそれにするのか?」という視点です。

文字を大きくする→目立たせたい(そこより重要な部分は他にありませんか?)
色を派手に→見栄えのインパクトを大きくしたい(文字が見にくくなってませんか?色合いもバランス取れてますか?)
文字の色を変える→色分けでわかりやすく(客観的に見て分かりやすい色分けですか?何色もつかっていませんか?)
画像をふんだんに使う→ビジュアルで訴求したい(画像のライセンスは確認しましたか?)

皆さまは行政書士事務所を開業されるという決断をしてスタートし始めているのですから
全ての責任は事業主であるあなたにかかってきます。

「誰々がやってくれなかった」「誰も教えてくれなかった」「こうするとよいと聞いた」もすべてその選択をしたあなたの責任です。

「こっちの方がいいのでは」「こちらのやり方はなぜよくないのだろう?」もあなたしか決める人はいません。
それにかかる人的・時間的・費用的コスト、期待できるリターンの想定も含めて全てです。

少し見方を変えてみると、哲学的なことや禅問答のように感じられることは後回しにして、即効性の高そうなことだけまずは取り組んでみるのも良いかもしれません。冒頭で上げたのもどちらかといえば即効性の高いものに分類されるでしょう。

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